知っておこう!株式の相続手続きのながれ

株価

身近な方が亡くなって、その方が遺した財産の中に株式が含まれている場合があります。

また、亡くなった方の遺した財産の相続手続きが終了した後、金融機関から株式の配当金の通知が亡くなった方名義で送られてくる場合があります。

そのような場合は、亡くなった方の遺した株式の名義変更が必要です。

株式を管理する銀行(主に信託銀行等)は、株式の名義人が亡くなったことを知らない場合がほとんどです。

よって、株式の名義人が亡くなったことを知らせて株式の名義変更の相続手続きをしましょう。
ここでは、上場株式の相続手続きについて書いていきます。

1、株式の相続手続きのながれ

株式の相続手続きの流れ

 

1-1、株式の管理者への通知

株式は通常、信託銀行、証券会社等株主名簿管理人が管理されています。

よって、株式の名義人が亡くなった場合、株式を発行している会社(株式発行会社)への通知ではなく、この株式を管理している株主名簿管理人(主に、信託銀行等)に通知することが必要です。

もし、株主名簿管理人が不明な時は、年に1回、2回は通知のある「配当金の案内」、「定時株主総会参加の案内」の通知に必ず記載してあります。

その記載先の銀行等に株主であるものが亡くなったことを通知しましょう。
通知の方法は、お問い合わせ先の電話番号にて行いましょう。

1-2、株式の管理者からの相続手続き書類の請求

株式の名義人が亡くなったことを通知したら、次に株式の相続手続きに必要な書類の請求をしましょう。

株式の管理人(銀行等)の問い合わせ先は、土・日・祝日の受付ができないところが多いので、平日の時間にする事になります。また、混雑している場合が多いので、時間に余裕がある時に連絡することが良いです。

1-3、必要な戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本の収集

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本を各役所より取り寄せます。(一部の金融機関では、亡くなった方の15歳くらいから死亡までの戸籍謄本等で手続をしてくれる場合もあります。ご不明な場合には手続をしてくれる管理者(銀行等)に確認された方がいいと思います。)

また、各相続人の現在の戸籍謄本が必要になります。手続をする代表相続人の方は、各相続人に戸籍謄本を用意してもらうよう伝えましょう。

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1-4、遺産分割協議書、相続手続依頼書の作成

必要な戸籍謄本等が集め終わったら、次に遺産分割協議書の作成、または、相続手続依頼書の作成となります。

株式の管理者(銀行等)から取り寄せた相続手続依頼書には必要事項(亡くなった方の住所、氏名、死亡年月日(相続開始日)、株式の銘柄、株式数、だれがどの株式をどれだけ承継するか、未受領配当金を誰が取得するか、未受領配当金の振り込み先銀行口座等)を記入します。

ここで、遺産分割協議書を作成した場合には、相続手続依頼書に株式を承継する相続人のみ署名・押印をします。
株式を承継しない相続人は相続手続依頼書には署名・押印は必要としません。
ただし、遺産分割協議書には相続人全員が署名・押印をします。

次に、遺産分割協議書を作成しない場合相続手続依頼書には、相続人全員が署名・押印を行います。

遺産分割協議書を作成するか、しないかで相続手続依頼書の署名・押印をするものが違いますので注意が必要です。

なお、相続手続依頼書の訂正には、相続人全員の実印での押印が必要ですから、間違いをしないように注意が必要です。

1-5、銀行等の窓口、郵送にて手続き

各種書類に収集、必要書類の記載終わったら、相続人全員の書類に押印した実印の印鑑証明書(発効後6か月以内のもの)を用意して、全ての書類を持って管理者(銀行等)の窓口で手続きをしましょう。

また、窓口は平日のみの場合がほとんどなので、郵送で必要書類一式を送る方法もあります。

窓口でも、郵送でも戸籍謄本等、印鑑証明書、遺産分割協議書は返却されますから、他の相続手続きのため大切に保管しましょう。

2、まとめ

亡くなった方の遺した株式の名義変更の手続きは、それほど難しい手続ではありません。
ただし、時間が必要になります。(特に平日の時間が必要となります。)

郵送による手続方法等をうまく利用しながら、効率よく手続きを出来るように考えましょう。
もし、平日の時間が取れない、自分で手続きをするのが不安であるという方は、専門家に相談することをお勧めします。