知っておこう!株式の相続手続きに必要な書類
亡くなった方の遺した財産の中に、株式が含まれている方も多いと思います。
その株式は亡くなった方の名義から株式を承継する相続人の名義に変更する手続きが必要となります。
その手続き必要な書類はどのようなものがあるのでしょうか?
手続きをする前に、必要な書類を知っておけば手続きがスムーズに終わると思います。
この内容を見て少しでも参考になればと思います。
なお、今回は上場株式について書いてあります。また、各手続き先により多少の違いがありますので注意してください。
1、必ず必要となる書類
株式の相続においては、だれが株式を承継するか、だれが亡くなった方(被相続人)の未受領の配当金を受ける権利を承継するかを決めなければなりません。まずは必要書類の収集の前にこの内容を決めることが必要です。(ただし、亡くなった方が遺言で定めた場合は除きます。)
以下の書類は必ず必要となる書類です。
- 亡くなった方(相続人)の出生から死亡までの戸籍謄本等(除籍、改製原戸籍等)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(発効後6か月以内)
- 相続手続依頼書(兼同意書)
基本的にはこれらの書類は用意しましょう。
2、ケース別の必要書類
株式の相続手続きをする場合、遺言による場合、遺産分割協議書による場合等、いろいろなケースがあります。
そのケースごとに必要な書類が多少違うので、ケース別に必要書類を説明します。
2-1、遺言による場合
亡くなった方が遺言を残した場合、その遺言に株式(または財産を全部または一定の割合)を承継させる記述のある相続人は株式の名義変更の手続きをすると思います。
その場合には以下の書類が必要となります。
- 遺言書(家庭裁判所の検認のあるもの(公正証書遺言は除く))
- 亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 承継する相続人の戸籍謄本
- 承継する相続人の印鑑証明書(発効後6か月以内)
- 相続手続依頼書(兼同意書)
このケースでは、承継される相続人のみの戸籍謄本、印鑑証明書のご用意が必要です。
また、相続手続依頼書(兼同意書)には、承継する相続人のみ署名・押印することになります。
2-2、遺産分割協議書を作成する場合
共同相続人が遺産分割の協議をし、その協議の内容を遺産分割協議書にして手続きをする場合には以下の書類が必要となります。
- 遺産分割協議書(相続人全員の署名・押印)
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(発効後6か月以内)
- 相続依頼書(兼同意書)
このケースでは、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書が必要となります。
ただし、相続依頼書(兼同意書)には、株式を承継する相続人のみ署名・押印が必要となります。
2-3、相続依頼書(兼同意書)のみで行う場合
次に、亡くなった方が遺言を残しておらず、また遺産分割協議書も作成しない場合、各手続先の用意する相続手続依頼書(兼同意書)のみで手続きをする場合の必要書類です。
- 亡くなった方の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書(発効後6か月以内)
- 相続手続依頼書(兼同意書)
このケースでは、相続人全員の戸籍謄本、印鑑証明書が必要です。また、相続手続依頼書(兼同意書)には、相続人全員の署名・押印が必要となります。
3、まとめ
株式の相続手続きに必要な書類を書いてきました。
株式の相続は、いろいろなケースによって必要書類が違います。また手続先の機関(主に信託銀行)によってもルールが違います。
しかし、基本的な部分(亡くなった方、相続人の方等の戸籍謄本、印鑑証明書が必要な事)は同じです。
もし、亡くなった方の遺した財産に複数の銘柄の株式があったとしても、基本的な部分を理解して、効率よく必要書類の収集をすれば必要以上に負担はかかりません。
株式の相続手続きは大変と思われるならば、専門家に相談することをお勧めします。