遺留分てなに?遺留分の基礎知識2
前回は、遺留分とはなにか?
遺留分の権利はだれにあるか?
遺留分の相続財産に対する割合はどれくらいか?
を書きました。
では、遺留分の額を求めるための基礎となる財産額とはどのようなものでしょうか?
1、遺留分算定の基礎となる財産額
遺留分算定の基礎となる財産を被相続人が相続の開始時に有していた財産だけとしてしまうと、亡くなられた方が亡くなる直前に所有する財産のほとんどを第3者に贈与してしまう場合、遺留分の規定が無意味になってしまいます。
よって、一定の亡くなられた方がした贈与の財産も遺留分の算定の基礎となる財産に加えます。
遺留分算定の基礎となる財産額
(被相続人が相続開始時に有した財産)+(一定の贈与財産)-(相続債務)
2、相続開始時の財産
亡くなられた方(被相続人)が相続時(亡くなられた時)の有した財産は遺留分算定の基礎財産となります。
もし、相続時に有した財産が条件付きの財産、存続期間の不確定な財産等である場合のは、家庭裁判所の選任した鑑定人にその財産の評価をして定めます。
3、遺留分算定の基礎に加えられる贈与財産
遺留分算定の基礎となる財産には、一定の贈与財産が加えられます。
では、加えられる贈与財産とはどのようのものか?
3-1、相続開始前の1年間にされた贈与
亡くなった方が、亡くなる前(相続開始前)1年間に贈与した場合には該当します。(よって、遺留分算定の基礎の含まれます。)
ただし、贈与について、亡くなる前(相続開始前)1年間に贈与の契約が成立することが条件であり、それ以前に契約が成立している贈与契約は対象となりません。
よって、亡くなる前(相続開始前)1年間に贈与された財産であっても、贈与する契約が亡くなる前(相続開始前)1年間よりも前に成立している場合には、その財産は対象となりません。
3-2、遺留分権利者に損害を加えることを知っていた贈与
遺留分権利者に対して、損害が発生することを承知で行った贈与は、たとえ亡くなる前(相続開始前)1年間前であっても遺留分算定の基礎の加えます。
「損害を加えることを知っていた」とは、遺留分を侵害する認識があれば十分であり、加害の意図や誰が遺留分を有するものかの認識までは必要ありません。
また、亡くなられた方が自己の財産を有償処分(売買等)した場合でも、その処分した価格(売却金額等)が著しく安価で、かつ、有償処分の当事者(売る人、買う人)が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った場合には、贈与行為を見なされ、遺留分算定の基礎の加えられます。
4、まとめ
遺留分の算定の基礎となる財産額、亡くなった時(相続開始時)の財産に一定の贈与加え、債務を除くことにより求められます。
ただし、加えるべき贈与財産をしっかり知ることが、遺留分を有するものの権利を守ることとなります。
もし、遺留分の算定の基礎についてお悩みがあれば、専門家に相談することをお勧めします。