知っておこう!相続財産の調べ方。
身近な方がお亡くなりになった場合、相続の手続きをするため相続財産を把握しなければなりません。
遺産相続の手続きの中には手続期限が決まっているものもあり、すみやかに手続きをしなければならないとき、相続財産の内容がわからなければ手続きの期限に間に合わなくなる恐れもあります。
そうならないためにも、なるべくはやく相続財産の調査をすることをお勧めします。
1、遺産相続財産となるべきもの
法律では、お亡くなりになった方に属する一切の権利義務が相続人に承継されると明記されています。
しかし、遺産相続の手続きにおいて問題となる財産は、以下のものがほとんどではないでしょうか。
- 不動産(土地、建物、土地等の借地権等)
- 金融債権(預貯金、定期預金、ローン債務等
- 有価証券(株式、国債等)
これらの調べ方についてみていきましょう。
1-1、不動産について
遺産相続の財産の中では、必ずと言っていいほど不動産は含まれています。
一般的に遺産相続財産に属する不動産は、お亡くなりになった方が生前住んでいた土地、建物と思われます。
しかし、多くの宅地、農地、山林等を所有していた方の遺産相続財産を調べるにはどうすればよいでしょう。
その場合、お亡くなりになった方が所有していた宅地、農地、山林等の所在地の市区町村役場に行って「名寄帳」を取得しましょう。
「名寄帳」とは、ある特定の方のその市区町村内に所有する不動産を一覧表にまとめた表です。
市区町村役場の固定資産税係(または、税務関係の窓口)で取得できます。
なお、複数の市区町村内に不動産をお持ちだった方は、その所在地の市区町村ごとに「名寄帳」を取らなければなりませんので、注意が必要です。また、「名寄帳」と一緒に「固定資産税評価証明書」も取得しましょう。
1-2、金融債権(預貯金、定期預金、ローン債務等)について
多くの方が複数の金融機関に口座を開設されている時代です。金融債権(預貯金、定期預金、ローン債務等)の遺産相続財産の調査をとても重要です。
遺産相続財産の調査としては、お亡くなりになった方の通帳の金融機関に「残高証明書」の発行を請求します。
お亡くなりになった方の相続人が「残高証明書」の発行依頼をする場合の必要書類
- お亡くなりになった方の亡くなられたことの証明書(例、除籍謄本等)
- 請求者が相続人であることの証明書(例、戸籍謄本等)
- 請求者の実印
なお、代理人がする場合には、委任状および委任状に押印してある委任者(請求される相続人)の印鑑証明書も必要です。
残高証明書は、即日発行され、手数料(金融機関により異なります。)も掛かります。
また、残高証明書の証明すべき残高は、亡くなられた日の預貯金の残高にしましょう。
1-3、有価証券(株式、国債等)について
有価証券の代表的な遺産相続財産は株式です。(ここでは上場株式について)
お亡くなりになった方がどのような株式を保有していたかは、毎年郵送される配当金の明細書、株主総会の開催通知等で把握できると思います。ただし、株式等を上場していない会社の株式については、それらの郵送物がない場合もあるので、専門家の相談をお勧めします。
お亡くなりになった方の保有する株式の銘柄がわかったら、その株式を管理する「株主名簿管理人」に対して、お亡くなりになった方の保有する株式の数を問い合わせることにより確認することが出来ます。
「株主名簿管理人」は、おもに信託銀行がほとんどであり、配当金の明細書、株主名簿管理人の開催通知等に記載があります。
「株主名簿管理人」への問い合わせは電話での問い合わせが可能ですが、個々の対応が違う場合がありますので、あらかじめホームページ等で調べてからの方が良いと思われます。
2、まとめ
身近な方がお亡くなりになった場合、いろいろな遺産相続財産があります。
今まで書いた内容は、その代表的な財産の調査の方法です。
もし、特殊な遺産相続財産がある場合には、早目に専門家にご相談をお勧めします。