知っておこう!代襲相続が発生する3つのポイント

緑の輪

法律では、お亡くなりになった方の財産はその子供へ、その子供から孫へと受け継がれます。

しかし、親より先に子供が亡くなった場合、親より先に亡くなった子供の子供は財産を受け継ぐことができないのでしょうか。
そのような時に「代襲相続」が、問題になってきます。

では、「代襲相続」とはどういう内容なのでしょう。

1、代襲相続とは。

法律では以下の通りの規定があります。

  • 被相続人の子が、相続開始以前に死亡したとき、または第891条の規定に該当し、もしくは廃除によって、その相続権を失ったときは、その者の子がこれを代襲して相続人となる。ただし、被相続人の直系卑属でない者はこのかぎりではない。

 

よって、相続開始以前に亡くなられた方の子供が死亡、一定の規定に該当する場合には、その子供の子供が相続財産を代わって受け継ぐことと規定されています。

相続財産を代わって受け継ぐことができる場合(代襲相続が発生する場合)とはどんな時でしょう。

2、代襲相続が起きる時はどんな時?

代襲相続が発生する時は、大きく3つの場合が考えらえます。

2-1、相続人となるべきものの相続開始以前の死亡(以前死亡)。

身近な方が亡くなられて、相続が開始する以前にその亡くなられた方の相続人となるべき方(相続人)が死亡しているとき。ここでの「以前死亡」とは、同時に死亡した場合も含みます。

同時に死亡した場合とは、交通事故や不慮の事故で親と子供が死亡した場合や、別々の場所での不慮の事故でも、親と子供の死亡した順番が不明な場合には同時に死亡した扱いとなります。

よって、必ずしも亡くなられた方の相続人となるべき方が先に死亡している場合だけに限りません。

2-2、相続欠格の場合

相続人の資格があっても、一定の行為を亡くなられた方(被相続人)や先順位の相続人にした場合、相続人の資格を失います。その場合には、その資格を失ったものの子供に代襲相続が発生します。

相続欠格の知りたい方におすすめ!「 知っておこう!法定相続人の資格を失う事由(相続欠格)

2-3、相続人の廃除の場合

亡くなられた方(被相続人)に対して虐待を行ったり、著しい非行があった場合、亡くなられた方(被相続人)は家庭裁判所に廃除に請求ができます。

その請求により、相続人の資格を失ったものの子供に代襲相続が発生します。

相続人に対する廃除の請求を知りたい方におすすめ!
「 知っておこう!法定相続人の資格を失う事由(推定相続人の廃除 」

3、だれが代襲相続できるのか?

相続人の資格のあるものなら、だれでも代襲相続が発生するわけではありません。

代襲相続が発生するのは、直系卑属(亡くなった方の子供、孫等)か、兄弟姉妹だけです。
よって、直系尊属(亡くなられた方の親、祖父母等)は代襲相続は発生しません。

3-1、被相続人の子供が亡くなっていた場合の代襲相続の発生例

ケース1

相続関係説明図

 

左図のように、被相続人(左図ではおじいちゃん)の子供(左図では次男)がすでに死亡している場合、その子供(左図では娘)が相続人になります

また、その子供(左図の娘)がすでに死亡している場合には、その子供が相続人になります。(再代襲相続)

 

 

 

ケース2 

相続関係説明図左図のように兄弟姉妹が相続人になる場合、被相続人の兄弟(左図では兄)がすでに死亡いている場合、その子供(左図では娘(姪))が相続人になります

 

 

 

4、代襲相続に注意点

以上にように、代襲相続人となることができるのは直系卑属(子供、孫等)と兄弟姉妹ですが、例外もあります。

例外ケース1

相続関係説明図兄弟姉妹が相続人となる場合、兄弟がすでに死亡している場合(左図では兄)、その子供(左図では甥または姪)も死亡している場合子供(左図では娘)は相続人(再代襲相続)になりません。

 

 

 

例外ケース2

相続関係説明図左図のように、被相続人(左図ではおじいちゃん)の子供(左図では養子縁組の子供)がすでに死亡している場合、その子供(左図では娘)が養子縁組よりも前に生まれていた子供である場合には、相続人(代襲相続人)にはなれません。

 

以上のような例外がありますので相続人の確定の時、注意が必要です。