これだけは知っておこう!預貯金の相続手続きに必要な書類

通帳と印鑑

身近な方が亡くなった場合、相続財産の中に必ず預貯金が含まれていると思います。

その預貯金も口座の名義人が亡くなった場合、口座の中の現金を引き出すためには相続の手続き(名義変更、解約等)しなければなりません。

その預貯金の相続手続きには必要な書類があります。その書類を知っていれば預貯金の相続の手続きもスムーズにすることができると思います。

預貯金の相続手続きに必要な書類はなにか、またどこで取るのか、見てみましょう。

1、口座の名義人が亡くなった場合、その口座はどうなるか?

銀行等の口座の名義人が亡くなった場合、その口座は凍結されます。凍結されるとその口座の現金が自由に引き出すことができません。

しかし、口座の名義人が亡くなっても、すぐに口座が凍結されるわけではありません。銀行等の金融機関が口座の名義人が亡くなった事実を知らなけれが口座が凍結されません。

よって、銀行等の金融機関が口座の名義人の死亡の事実を知らない間は口座の中の現金を引き出すことも可能です。

ただし、共同相続人の中の一部の相続人が、勝手に亡くなられた方の口座の現金を引き出して自分のものとすることはあとにトラブルとなるのでやめましょう。

ちゃんと預貯金の相続手続きをしてから口座の現金を引き出すことが大切です。

2、預貯金の相続手続きに必要な書類とは?

では、預貯金の相続手続きに必要な書類にはどのようなものがあるのでしょう。多くの銀行等の金融機関は以下の書類が必要です。

  1. 亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本
  2. 共同相続人の戸籍謄本
  3. 共同相続人の印鑑証明書
  4. 亡くなられた方の預金通帳とカード(ただし、紛失の場合には別途手続きが必要)
  5. 銀行等の金融機関の手続きに行く代表相続人の実印

 

最低限、これらの書類等は必ず必要となります。

2-1、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本について

亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本等は、亡くなられた方の本籍地の役所にて取得できます。ただし、本籍地を複数、移転している場合には、移転先の複数の役所での取得が必要です。

なお、金融機関によっては亡くなられた方の15歳ぐらいから死亡までの戸籍謄本等で手続き応じてくれる場合もありますが、必ず亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍謄本等を取るようにしましょう。

2-2、共同相続人の戸籍謄本

相続人が複数人いる場合、各自が現在の戸籍謄本を用意しましょう。戸籍謄本は、各相続人の現在の本籍地の役所で取ることができます。

2-3、共同相続人の印鑑証明書

相続人が複数人いる場合、各自の印鑑証明書を用意しましょう。

もし、印鑑の登録がしていない相続人がいる場合には、必ず印鑑の登録をして、印鑑証明書の取りましょう。印鑑証明書を取ることも、印鑑を登録することも各相続人が住んでいる地域の役所ですることができます。

預貯金の相続手続きに使うことができる印鑑証明書は、役所で発行後、6ヶ月(または3ヶ月)以内の印鑑証明書でないと手続きができません。(役所で発行後6か月(または3ヶ月)を過ぎると再度、印鑑証明書を取り直すことになります。)

よって、相続人の人数が多くいる場合には、最後に印鑑証明書を用意しましょう。(そうすれば発行後6か月(または3ヶ月)が過ぎて再度、印鑑証明書を取り直さなくてよくなります。)

2-4、亡くなられた方の預金通帳とカード

預貯金の相続の手続きをする場合、亡くなられた方の預金通帳とカードが必要です。相続の手続きといっしょに預金通帳とカードに一定の処理が銀行等の金融機関によってされます。

もし、紛失の場合には、別途手続きが必要となります。

2-5、銀行等の金融機関の手続きに行く代表相続人の実印

ほとんどの場合、共同相続人の中の代表者(代表相続人)が銀行等の金融機関の窓口で相続の手続きを行うと思います。

その場合、亡くなられた方の預貯金の相続の手続きには、亡くなられた方の口座の銀行への届出印での手続きではなく、代表者(代表相続人)の実印で手続きを行います。

よって、必ず代表者(代表相続人)の実印が必要となります。

3、その他、必要な書類

これまで書いた書類は預貯金の相続手続きに必要な書類です。

このほかにも金融機関によって独自の必要書類がある場合があります。

もし、ご不明な点がある場合には、相続手続きのために金融機関に出向く前に金融機関に問い合わせをして確認を取りましょう。